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二酸化炭素濃度の速報値(自動更新)

 環境科学国際センター(騎西観測所)における、二酸化炭素濃度の観測結果(速報値)を表示しています。2時間に一度の更新予定です。この値は、後日、修正されることがあります。

二酸化炭素濃度の1時間平均値


   本日の速報値
   昨日の速報値

二酸化炭素濃度の日変化(30秒平均値)

 多様な排出源の影響を受けやすい騎西観測所では、一日の間に濃度が大きく変化し、特に風向・風速などの気象条件の違いによりその特徴が表れます。濃度が最も増加しやすい冬季の風の弱い日の夜間には、500ppmを超過することもあります。これは、年平均値と比べて100ppm以上も濃度が増加したことに相当します。火力発電所などの大規模な排出源が多い東京湾周辺から南風が侵入したときも濃度が増加することが多くなります。しかし、台風が接近したときや北西からの季節風が非常に強い場合などは、排出された二酸化炭素が希釈されあまり濃度が増加しないこともあります。鹿島灘から東風が侵入したときも、排出源の影響をあまり受けないため、それほど濃度は増加しません。また、時間帯によっても影響が表れ、交通量が多くなる早朝には、自動車など近傍の排出源からの影響を受けて濃度が激しく変化します。一方、夏季の日中には植物の光合成の影響を受けて、濃度が数ppm程度減少することもありますが、排出源の影響と比べると非常に少ないことが分かります。

二酸化炭素濃度の観測結果

 環境科学国際センター(前身の公害センターを含む)では、地球温暖化物質のモニタリングを実施しており、その一環として二酸化炭素濃度の精密観測を1991年に開始しました。ここでは、埼玉県内3地点における二酸化炭素濃度の観測結果を紹介します。

図1 観測地点

二酸化炭素濃度の推移と季節変化

二酸化炭素濃度の推移

 各地点とも1年周期の季節変化が見られました。また、人為的な汚染の多い地点ほど濃度が高く、季節変化の振幅も大きくなっていました。

図2 二酸化炭素濃度の推移

二酸化炭素濃度の季節変化の特徴

 堂平山においては、同程度の緯度に位置する世界各地の清浄地域の季節変化と同様に、4月頃に極大となり9月頃に極小となる季節変化がみられました。北半球中緯度の清浄地域では、春から夏にかけて植物の光合成により二酸化炭素が吸収されるため、地球規模で上記のような季節変化を示すとされています。一方、浦和と騎西においては、燃焼起源の窒素酸化物濃度の季節変化と同様に、人為的な汚染の影響を受けて大気の安定する冬季に濃度が増加しました。

図3 二酸化炭素濃度の経月変化

二酸化炭素濃度の増加率

二酸化炭素濃度の増加率

 二酸化炭素濃度の増加率は期間別には差がみられましたが、同一期間内で比較すると地点別の増加率の差は少なくなっていました。このことから、地球規模での濃度増加の影響が大きいと考えられました。

表1 二酸化炭素濃度の増加率 (ppm/年)


浦和 堂平山 騎西
1993〜2001 1.70 1.74 -
2001〜2008 - 2.20 2.24

世界平均(※) 堂平山
1995〜2004 1.9 1.71
1996〜2005 1.9 1.81
1997〜2006 1.93 2.00
1998〜2007 2.00 1.99
1999〜2008 1.93 2.07

※ WMO温室効果ガス年報  No.1〜No.5

二酸化炭素濃度の増加率の推移

 期間別に詳しくみると、2001年以降に増加率が大きくなっていましたが、近年では小さくなる傾向がみられました。

図4 二酸化炭素濃度の増加率の推移

・二酸化炭素標準ガスについて
 世界各国の長期間にわたる観測値を相互に比較するため、二酸化炭素濃度の観測には世界的な基準の統一が必要とされています。このため、日本国内においては、WMO(世界気象機関)の標準ガスにより較正された二酸化炭素標準ガスを気象庁が管理し、各観測所の観測値の「トレーサビリティ」が確保されています。埼玉県においても、気象庁の協力によりWMO標準ガスを基準とした観測を継続しています。このような精密観測を行う観測所は国内に数地点しかなく、特に大都市近郊での観測データは、世界的にもあまり例がないため貴重なものとなっています。また、県内3地点の観測結果は、WDCGG(温室効果ガス世界資料センター)へ定期的に提供しており、WMOが発行する報告書等で利用されています。


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[ このページに関するお問い合わせ先 ]
埼玉県環境科学国際センター温暖化対策担当 Tel:0480-73-8367 Fax:0480-70-2031 E-mail:g738331@pref.saitama.lg.jp